− 入浴剤 の 種類 に つ い て −
★入浴剤の基本的な効果
1.温浴効果
塩類を主体とした入浴剤は、水道水に溶け込む塩類の成分が肌をコーティングし、
発汗を抑えることにより、水道水浴に比べ保温効果が優れます。
保温効果が得られることによって、筋肉のこり、痛みなど緩和されたり、
疲れの解消、入浴時の血圧の降下が得られます。
2.清浄効果
炭酸塩は、皮膚の脂肪や汗腺にある脂肪の不潔物を乳化して洗い流す洗浄効果があります。
塩類入浴剤の作用で水道水の質を変えることにより、
皮膚のあれを防いだり、保湿、洗浄、血流量の増加によって皮膚の美容効果が得られます。
3.スキンケア効果
止痒効果がある塩類浴剤を用いると、かゆみの症状が治まり、
掻く回数が自然と少なくなっていくことで皮膚疾患の症状が軽快していきます。
古い角質が洗い流されることで肌の血流が改善され、潤いを持った肌をとりもどします。
★入浴剤の種類
1.無機塩類系入浴剤
硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム等が主成分
身体の熱の放散を防ぐため入浴後の保温効果が高く、湯冷めしにくい特徴があります。
硫酸ナトリウムは皮下組織の修復作用があり、あせも、ひび、あかぎれ等の予防に効果があります。
炭酸水素ナトリウム(重曹)は、皮膚の汚れをを乳化して洗い流す洗浄効果があります。
2.スキンケア系入浴剤
セラミド、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、米発酵エキス等の保湿成分を配合したもの
保湿成分が入浴中に皮膚に吸着浸透し、スキンケアを行うものです。
入浴中のお肌は浸透し易い状態になっているため、保湿成分が肌の表面だけではなく、
角質層内部にまで浸透していき、入浴後はお肌がしっとりすべすべになります。
3.酵素系入浴剤
蛋白質分解酵素、パパイン、パンクレアチン等を配合したもの
酵素は皮膚表面の汚れに作用し、汚れを小さくしたりして洗い流し易くします。
皮膚に無理な刺激を与えず清浄し、他の成分と一緒に入浴効果を高めます。
入浴後は清潔で滑らかな使用感をもたらします。
4.炭酸ガス系系入浴剤
炭酸塩とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等を組み合わせたもの
湯に溶けた炭酸ガスが皮膚吸収により皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけることで
血圧が下がり、血流量を増加させます。
その結果、身体の新陳代謝が促進され、疲れや痛み等が回復します。
5.薬用植物系入浴剤
生薬を配合しもの、生薬エキスと酵素、油脂、界面活性剤などを組み合わせたもの
(トウキ、センキュウ、チンピ、ウィキョウ、ニンジン、シャクヤク、カミツレ、モモ葉など)
このタイプの生薬の種類によって効果が異なりますが、
生薬に精油が含まれているものには、精油により肌がコーティングされ入浴後の温もりが続きます。
生薬そのものに皮膚の炎症を抑えたり、血流量を増加させたり、かゆみを抑える作用もあります。